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Et Stol(エストール)について



ロイヤルアスコットタイ誕生

最近になって、といってもここ数年でしょうか、アスコットタイを結婚式やTV画面などで見る機会が増えてきたように思います。
ファッション業界に身を置いていた私にとって、このアスコットタイはとても想い入れのあるアイテムです。

ブライダルやパーティー、ファッションショーといった華やかな場面で、首元を彩ってくれるアスコットタイは、まるで魔法のようなアイテムで、プロデューサーの私にとっては、まさに“切り札”でした。

ただ、難しい・・・、めんどうなのです。
アスコットタイには独特の結び方があり、まず初心者にはできませんし、たとえ一度覚えても、頻繁に使わないものは忘れてしまいます。
結び方を覚えたとしても整形が難しい、つまり綺麗に、見栄えよくできない・・・
結ぶのに時間もかかります。
ファッションショーでは、数分どころか、数秒の遅れが命取り!、ほんとうはもっと大切な場面で使いたいのにリスクを考えると躊躇してしまう。

もっと簡単に使えないかな・・・

発想はそれだけでした。

その想いからはじまり、3年以上にわたる試行錯誤と数百の試作品を経て、「ロイヤルアスコットタイ」は誕生しました。



Et STOL 誕生

「このネクタイの柄がとても気に入ってるんだけど、ネクタイはもうしないからアスコットタイにならないかな?」
40年以上のお勤めを終え、リタイヤされたある紳士と会食していた際に、アスコットタイの話題になり、その会話の流れからつい口走られたこの言葉が次の転機となります。

正直なところ、軽はずみに出てしまった「やってみましょうか?」という一言からリメイクのアイデアが生まれました。
ネクタイの糸をひとつひとつほどき、色落ちしないように洗浄。
上質なシルクは洗うときはもちろん、のばすとき(アイロン)にも神経を使います。
次に型を入れて生地を成型し、最後に再縫製・・・

如何にも自分でやったように書いていますが、これらの作業は全てそれぞれの専門職の方にお任せです。(笑)

長年連れ添ってきたネクタイは、アスコットタイとして生まれ変わり、新しい人生の“楽しみ”を演出する新たな友となったのです。

様々な“想い”纏ったネクタイをお持ちの方がたくさんいらっしゃると思います。
その想いを纏った「ネクタイ」を、新たなステージで活躍するための「アスコットタイ」にリメイクすることで、たくさんの笑顔をいただきたいという思いから「Et STOL」は誕生しました。






アスコットディップダイ 誕生

九州で、創業百年を越える染色の老舗の三代目とお話させていただく機会がありました。
コンピューター全盛の現代、布地さえもプリンターで染色できる時代です。
ただ、“染める”という作業は、本来その布地にあった染料を用い、気温や湿度なども考慮した最も適切な方法で染めないと、思い通りには発色しないのだそうです。

クチコミで少しずつアスコットタイのリメイクのお仕事が入りはじめた頃、どうしても「シミ」が落ちないネクタイが持ち込まれてきました。
明るめのカラーについたシミは、これ以上洗浄・染み抜き作業を続けると変色・色落ちしてしまうということもあり、お客様の了承を頂いて、染物屋さんに持ち込んだのです。

「重ね染め」と呼ばれる技法で、その名の通り、模様の入ったシルクの布地にそのまま別の染料を重ねて染色するという高度な技法です。
実はこの手法、あのエルメスが“ディップダイ”という名称で世に送り出していたのです。
重ね染めならではの色彩と質感がとても高い評価を得ているようです。

重ね染めすることで派手な柄が一つのトーンに染まり、とても大人の雰囲気とでもいうのでしょうか、高級感のある使い勝手のよいアイテムへと生まれ変わるのです。

伝統の和染め屋さんとのコラボレーションが、ここに実現し、新しい命を吹き込まれたアスコットディップダイが誕生しました。

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